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④応用編:タイの採用マーケットで勝つために

Posted by Yu Shimokawa 下川 優

about 1 year ago

基本編にてタイの日系ビジネス、タイ人の気質や仕事観、タイの採用マーケットの構造やトレンドについてお話してきました。

今回からは応用編に入ります。基本編でお話したことを前提に、以下3つのテーマに分けて、もう少し踏み込んで考えていきたいとおもいます。

応用編:タイの採用マーケットで勝つため

⑤応用編:タイ現地化の現状と課題

⑥応用編:タイ人エグゼクティブの採用

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タイ採用マーケットでの日系企業の競争

タイにて採用活動を行う上でまず理解しないといけないことはなんでしょうか?

それは、

「ここはタイで、タイ人の国」だということです。

当然なことだ、もちろんわかっていると思う方が大半だとおもいます。

しかし、実際に日系企業様の採用の相談をお伺いしているとなかなかよい方が採用できないことに悩んでいらっしゃる企業が多く、大前提である「ここはタイで、タイ人の国」だということ。その「タイ人の国でタイ人の優秀人材を採用しようとしていること」が見えていないことに気が付きます。

以下はタイの人気企業トップ10ランキングです。

タイは他国に比べても親日な国として知られているので人気企業トップ10に日系企業2社タイトヨタ社、ホンダタイランド社がランクインしています。

しかし、日本国内では誰もが知っている五大商社やメガバンクですら名前が挙がってきません。なぜなら、ここはタイだからです。

https://media.licdn.com/dms/image/C5612AQHgWqtVZEfn8g/article-inline_image-shrink_1000_1488/0?e=2126476800&v=beta&t=4XGDmkDEzwqdW_Y34-EVoLX0c8Q2eQAwKKl8X8ECgF8

就職人気企業ランキングなどは特に日常生活に近い自動車業界、消費財業界、通信業界や安定的なイメージの強い石油や素材業界の大手企業がランキングに名前を連ねます。そこはタイも日本も同じです。

先月Nikkei Asian Reviewにて日本人にとっては大変ショックなニュースが掲載されました。

アジアのブランド評価ランキングにて韓国のサムスン社がトヨタ社を上回ったというニュースです。

トップ5にはアップル社、グーグル社、マイクロソフト社、アマゾン社、コカコーラ社。その次にランクされたのが6位サムスン社、7位トヨタ社と続き、サムスン社がアジア企業ではトップのブランドになりました。

採用市場においてはブランドそのものの影響力と仕事内容、給与などの条件がキーになります。

日本ではだれもが知っている日系大手企業、または業界ではNo1の優良企業でも海外に出ると採用力が残念ながら下がってしまいます。通信、自動車、消費財など普段の日常生活で目にするブランドであれば伝わりやすいのですが、製造業などは特に候補者の日常に直接触れていないものも多く単純に知らないため、面接を行っていただく際にも企業側から求職者に事業、会社の説明、商品について、歴史について、日本でのシェアについて説明していただけなければ魅力が伝わりません。

日本国内での採用活動においては、面接にやってくる求職者が事前に企業情報を勉強しているか、興味を持って会社を知ろうと自分自身で努力しているかも志望度とやる気を図る基準としてみる企業も多く、同じようにタイでの採用においても同様な質問をしてうまく応えられない場合志望度が低いと判断し、能力や経験について理解する前に見送ってしまうこともよくあります。

通常の人材紹介では転職の意思がある求職者が人材紹介会社に登録し、そのデータベースの中で求人とのマッチングを行うため、比較的転職の意欲が高い、もしくはすでに離職しているなど転職をしなければならない状況にある方もいるため選考を行う上で企業側がより力を持てる場合もあります。それでも採用売り手市場のタイでは採用したいと思う人材が集中しているため、複数の企業の面接を受けている求職者に対して他企業よりも魅力的な部分をアピールしておく必要があります。

面接は企業が求職者を選考するだけではなく、求職者がどのような企業でどのような仕事内容でどのような期待をされているのかなど情報収集をした上他の企業と比較してどの企業へ行きたいのかを判断する場でもあります。

しかし、タイ人の求職者は面接の場にてあまり細かい内容を質問すること、給与などの希望について本音を伝えることに対して遠慮(グレンジャイ)をします。中には面接の中で企業から希望給与確認、給与交渉があった場合、希望を正直に伝えたり提示された給与に不満があってNoといいたくても言えずにYesとその場は伝えて後々交渉を希望したり断ったりすることもあります。

弊社のような人材紹介会社経由で候補者の面接を行ってる場合は、まず事前にご面接の中では給与交渉は避けていただき我々コンサルタントが間に入って交渉をさせていただいたほうがスムーズだということをお伝えして、面接中の給与交渉は基本的には控えていただくようにお伝えしています。給与や条件については確認だけで、最終面接にてその場で契約書にサインをさせるなどは避けていただいております。その場は遠慮をして、後から断ればいいかという気持ちで契約書にサインをする人も中にはいるので後々トラブルになる可能性があります。

タイでの採用に勝つためには、タイ人独特の気質やコミュニケーションアプローチを理解すること、そして、タイでは日系企業が求める求職者層が集中しているため競争が激しく、企業が選ぶという姿勢ではなく企業側も採用したいと思う求職者に選んでもらえるように事業内容や仕事内容についてしっかりアピールすることが必要です。

お問い合わせ、ご質問などあればいつでもお気軽にお問い合わせください

下川 ゆう (Yu Shimokawa)